「仏法には、明日と申す事、あるまじく候う。」

2022.05.25

「仏法には、明日と申す事、あるまじく候う。仏法の事は、いそげ、いそげ」と、仰(おお)せられたり。 

                                               『蓮如上人御一代記聞書』より

 

仏法は、今現在の我が身が救われる道を開いてくださいます。

いかなる境遇のいかなる状況においても、そこに生きる使命を見いだしていく(いかなる人生であれ無駄にしない)ことを阿弥陀さまが誓ってくださいました。

「今この瞬間」ということの大切さ、何よりも仏に出遇う決定的瞬間を大事に万事油断するな、ということばであると受けとめられます。くりかえし、「仏法のうえにては、明日のことを今日するように、いそぎたること」と仰っておられます。

蓮如上人(れんにょしょうにん)が、御文という書物で「朝には紅顔ありて夕べには白骨となれる身なり。」と、私たちの身の事実を言い当ててくださっていることからも、今のこの瞬間に仏法に出遇わずしていつ出遇うのか、と仰っているのだと感じます。それは生老病死していく我が身の事実にであい、人として賜ったいのちを一日たりともあだやおろそかにしてはならないと教えてくださっているのではないでしょうか。